「1日3食きちんと食べましょう」私たちが小さい頃から教えられてきた食生活の基本です。現代を生きる私たち日本人はこの言葉通り、朝食、昼食、夕食と1日3食を欠かさずに食べるようにしています。しかし、それは本当に私たちの生活にあっているのでしょうか?
あなたも経験があると思いますが、この1日3食のペースで食事をしていると、前の食事の満腹感が残っているのに、次の食事の時間が来てしまう、ということがありませんか?そうなってしまうと、つまり、この1日3食というのは、常に満腹の状態を維持しようという食事のリズムなのです。
その一方で、最近は、1日1食や断食など、「空腹」による効果が見直されるようになってきました。実際に、空腹状態を維持した方が健康になったり、仕事に集中できるという人も大勢いるようです。
もし、食事を抜いたり減らしたりして仕事に集中できるのなら、ぜひ取り入れたいものですよね。そこで今回は、空腹状態を維持することで、本当に集中力が上がるのか、仕事の効率が上がるのかを実際に自分の体を使って検証してみることにしました。
空腹で集中力が上がる3つの理由
まずは空腹状態で集中力が高まると言われている3つの理由を説明します。理由もなしに効果があるかどうか試すのもバカバカしいですもんね。
空腹で体内に食物がないので消化活動にエネルギーを使う必要がない
私たち人間が生きていると、多くのことでエネルギーを消費します。大きくエネルギーを消費するものとしてわかりやすいのが、脳と筋肉ですよね。脳が活動することで大量のブドウ糖を消費しますし、運動をしたりして筋肉を使えば、カロリーを消費することになります。
そして、もう一つ私たち人間の中で、大量のエネルギーを消費する活動があります。それが、「内蔵の行う消化活動」です。私たちが食べ物を食べれば、胃や腸は体内に入ってきた食べ物を消化するための活動を始めます。実は、その消化活動には非常に多くのエネルギーが消費されます。
消化活動のために内臓に血液が集中するので、脳や筋肉は血液がまわる量が少なくなり、十分な酸素が供給されなくなってしまいます。そのため、食後数時間というのは、集中できなかったり、頭が働かなくなってしまうのです。
逆に、空腹状態を維持することによって、内臓は活動する必要がなくなりますので、脳や筋肉に血液がしっかりと流れ、酸素が供給されることになります。これが空腹状態で集中力が高まる理由の1つ目です。
血糖値が安定するので眠くならず集中力を保つことができる
では、2つ目の理由です。それは、空腹状態を保つことによって、血糖値の急な上下がなくることです。
私たちが食事をして、大量の炭水化物・糖質を摂取した場合、急激に上昇した血糖値を下げるために「インシュリン」というホルモンが分泌されます。インシュリンは必要以上に上昇してしまった血糖値を下げる大切な役割を持ったホルモンですが、その時に、低血糖状態を起こすまで血糖値を下げてしまう場合があるのです。
低血糖の状態になると、私たちは眠気やめまいを感じてしまいますので、仕事に集中することなんてできませんよね。空腹状態を維持できれば、血糖値が急に上昇することもなくなりますので、インシュリンの分泌を抑えることもできて、眠気が襲ってくることもなくなります。
空腹状態で最強のホルモンサーチュイン遺伝子が分泌される
私たちが空腹状態の時、「サーチュイン遺伝子」という物質が体内で分泌されます。元々、サーチュイン遺伝子は「長寿遺伝子」と呼ばれる遺伝子で、免疫力を上げたり、美肌の効果があったり、若返りの効果があると言われている遺伝子です。
実は、その効果の中に「やる気を上げる」「集中力を上げる」という効果もあると言われています。サーチュイン遺伝子が分泌されることで、交感神経が優位な状態になると言われています。この交感神経が優位な状態になると、私たち人間は、活発、アクティブな状態になるので、やる気が出たり、集中力が出て、結果的に仕事の効率も上がっていくのです。
実際に空腹状態を維持して集中力・仕事の効率は上がったのか?
というわけで、今日は試しに、仕事や今日やる予定の作業が全部終わるまで1食も食べずに過ごしてみることにしました。ちなみに、この記事を書いている現在もお腹を空かせながら記事を書いています。
食事はとらないと言っても、さすがに低血糖状態が続いても集中力が欠けてしまいますので、仕事の合間にチョコレートなどで軽く糖分の補給だけは行ってきました。
では、実際に空腹状態で過ごしてみてどうだったか、本当に集中力が上がったか、仕事の効率が上がったのか、結果を報告します。
結論から言うと、集中力、仕事の効率、ともに上がります。前日よりも多くの仕事をしているにも関わらず、時間はまだ前日よりも余っている状態です。つまり、明らかに仕事を早く進めることができたのです。また、仕事中に眠くなることも少なかったように感じます。
ただし、「食欲」は私たちの3大欲求の1つですので、やはり仕事中も食事が恋しくなってしまう場合もあります。人にもよるかもしれませんが、ある程度の慣れは必要になってくるはずです。
注意点
最後に、少しだけ注意点を上げておきます。今回、食事を摂らず、空腹になる目的はダイエットではありません。集中力を維持するためにも、仕事の合間に軽くチョコレートや飴をつまんだりしながら、血糖値を維持するようにしましょう。
また、目的は集中して仕事に取り組むことなので、やるべきことが終わったら、好きな物を好きなだけ食べましょう。終わったら食事という楽しみがある、そう考えると、さらに仕事へのやる気につながるかもしれませんね。
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