好奇心、それだけ聞くと、すごく聞こえが良いですよね。「知りたい!」そう思う好奇心があることで、私たちは知識を得ようとして、結果的にそれが成長につながっていきます。しかし、場合によってはその「好奇心」が成長の妨げになってしまうことがあります。今回は、どんな時に好奇心が成長を妨げてしまうのか、そして、それを防ぐにはどのような対策をしたらいいのかを共有していきます。
好奇心の隙間理論とは?
好奇心によって成長が止まってしまうとき、それは、「好奇心の隙間理論」が働いている場合です。好奇心の隙間理論とは、ある分野の知識を習得していくと、その分野の知識を完璧にしようとして、知らない部分の知識が気になってしまうことです。ちょっと分かりづらいので、具体的な例をだして説明しますね。
例えば、アメリカから東京の学校に留学に来ているAさんがいます。Aさんは非常に東京に興味を持っていて、東京23区のすべての区の名前を覚えようとしています。その結果、23ある区のうち21の名前を覚えて、暗唱できるようになりました。こうなってくると、覚えていない残りの2つの区が気になり、完璧に覚えたいと考えますよね。でも、逆に23区のうち、新宿区と渋谷区しか知らなければ、「残り21の区が気になる!覚えたい!」とは思いませんよね。知らない知識が少ないからこそ、その穴が気になり、埋めたいと思うようになるのです。
そして、Aさんが23区すべてを暗記できたとして、そこで満足できるかというと、そうではありません。23区を知った後は、東京にある市町村にも関心を持ち、次はそっちの知識を得ようと、気になり始めるのです。このように、好奇心の隙間理論は、知識の穴をうめても、また次にできた穴が気になり始めるだけで、終わりがないのです。
好奇心の隙間理論によって成長が止まってしまう理由
次々と好奇心を持ち、勉強を続けるのは、一見いいことのように思えるかもしれません。確かに、これが学校の勉強なら問題がないのですが、ビジネスでも同じ好奇心の隙間理論が働いてしまうところに問題があります。
たとえば、ビジネススキルの中に、「コピーライティング」というスキルがあります。郵便で届くダイレクトメールや、インターネット上の縦に長いウェブページを作るスキルですね。このコピーライティングの分野は、日本ではまだ馴染みが薄いのですが、日本よりもこの分野が進んでいるアメリカでは、100年以上の歴史があり、数多くのノウハウや情報が蓄積されています。
コピーライティングを学び始めると、日本ではまだ歴史が浅く、本場のアメリカでは自分の知らない情報や知識、スキルが数大く存在することに気付かされます。そして、「今の自分はまだまだ。もっと勉強してからじゃないと実際にセールスレターを作ることはできない」と考えてしまいます。しかし、先ほども説明したとおり、好奇心の隙間理論に終わりはありません。アメリカのコピーライティングを学ぼうと思い、国内で翻訳された書籍を読めば、今度は日本にない教材やセミナーに興味をもつようになります。その繰り返しばかりで、実際にセールスレターの作成、というコピーライターの仕事に取り組めなくなってしまうのです。
ノウハウを学んだり、スキルを磨くのは、それを使ってお金を稼ぐためですよね。それなのに、好奇心の隙間理論によって、学んだノウハウを活かせずにいるのでは、意味がありません。また、学んだノウハウや身に付けたスキルは、実際に使ってみて始めて勉強不足に気がついたりすることがあります。つまり、実践できないということは、成長のスピードを止めてしまっているということになるのです。
アウトプットを意識して行動すること
この好奇心の隙間理論は、別にコピーライティングだけに当てはまる話ではありません。アフィリエイトをはじめとしたネットビジネスでもそうですし、スキルを磨いて実力を付ける必要のあるすべての仕事で起こりうる話です。では、どうすれば、好奇心の隙間理論による成長の妨げを防ぐことができるのでしょうか?
まずは、今回の記事で解説した、好奇心の隙間理論があるということを頭の片隅に置いて、常に思い出せるようにしておくことです。ある程度勉強を続けているのに、「もっと勉強したい」「これじゃまだ学び足りない」そう思った場合には、この好奇心の隙間理論という話があることを思い出せば、自分を客観的に見つめ直すことができるはずです。
そして、アウトプットを意識した学び方をしましょう。学んだことを行動に移したり、誰かに教えたりするアウトプットは、正確に大量のインプットができていなければ行うことができません。学びが不十分なら、不十分なりの結果しか出せませんし、教える相手からも理解されません。アウトプットが前提にあることを常に意識できれば、好奇心の隙間理論で成長が止まることはないはずです。
まとめ
誰にでも、どんな分野でも「好奇心の隙間理論」があります。好奇心によって学びが深まりますので、無理に否定する必要はありませんが、それによって成長が止まってしまっては本末転倒です。アウトプットをするためにインプットがあることを忘れずに、ビジネスにも勉強にも取り組むようにしましょう。
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