ゼロイチ思考
ゼロイチ思考とは
物事を両極端にしか見られない思考をいいます。
そして多くの場合、
その両極端のうちの最悪の事態を妄想して
身動き出来なくなる。
例えば、
『良い会社に就職して安定した生活』or『就職できなければ人生終わり』
『婚して幸せな家庭を築く』or『結婚できずに孤独な人生』
と両極端に考えてしまうと、
2つの道しか見えないようになってしまいます。
ですが、就職に失敗しても
なんだかんだ幸せな生活を楽しんでいる人はいるはずですし、
独身貴族として人生を謳歌している人もいるはずです。
それにも関わらず、
「就職できないとダメだ」、
「結婚できないとダメだ」と
物事を極端に考えてしまう。
これをゼロイチ思考といいます。
ルール、ルールでガチガチ
なんでもキッチリするのが良いのかというと、
そうではありません。
物事にはある程度の『あそび』がないといけません。
クルマのブレーキにも『あそび』がないと危険です。
あそびが大きすぎても、
ブレーキタイミングが遅れてしまいますけど、
全くあそびがないというのは
急ブレーキが効きすぎて事故にあいます。
ハンドルについても同じですよね。
まったく「あそび」がないのはハンドルを少し傾けただけで
クルマの進路がグイっと変わってしまって非常に危険です。
この「あそび」が心の「グレーゾーン」だと考えてください。
グレーゾーンを抱えたままでも、
何の問題もなく過ごせます。
心のグレーゾーンであなたの評価が下がったりはしないのです。
完璧主義はもったいない
世の中にはAll or Nothing的な考え方をする人がいます。
「全か無か」「100点か0点か」「優勝かそれ以外か」というふうに。
カッコいい言葉かもしれませんが、
実際には生産的な考え方とはいえません。
こういう考え方をするのは、『もったいない』のです。
たとえばあなたが
「毎日50回腹筋をする」と決めているとします。
でも今日は残業で疲れたし、
観たい番組もあるし50回もできない。
多くの人がここで「まあ今日はいいか」と、
1回もやらないのです。
本当はここで、
決めた通りの50回の腹筋はできなくても20回だけやるとか、
10回だけでもやるとかした方がいいのです。
「50回できないから1回もやらない」
ではもったいなさ過ぎます。
最悪の事態はそう起こらない
なぜ、ゼロとイチのモノクロの世界にこだわる必要があるのか?
冷静に考えてみたら
こだわる必要はありませんよね。
薄いグレーもあれば濃いグレーもある。
緑や青、赤の色彩も溢れている。
世の中そんな「どっちか選べ」みたいなものでは全くないです。
ガンガン行動する人は、
『最悪の事態はまぁ起こらない』と
知っているからじゃないですかね。
とは言っても
最悪の事態が絶対に起こらないわけじゃないです。
ですが、それと同じくらい
最良の結果を出せる可能性もあるはずです。
一番、可能性が高いのは、
中間や“ちょっと良い”とか“ちょっと悪い”事態ですかね。
不安なときの口癖
不安なときに何を言っているかで
自分の思考パターンに気づける時があります。
あなたは不安があるときに
何が頭に浮かびますか?
「完全に…」「全然…」「全く…」
という口癖がある人は物事を両極端に考える
『ゼロイチ思考』の可能性が高いです。
「ずっと…」「決して…」
という決めつけ的な言葉が多い人は
否定的な出来事があると、それがずーっと永続的に続くと思ってしまう
『過剰思考』かもしれません。
「~に違いない」と良く言う人は
人の考えや起こっていることの先を読みすぎる
『結論の飛躍』が癖になっているかもしれません。
「みんなが嫌っている」「誰も~してくれない」
と言う人はマイナスの出来事は大げさにして
プラスのことは過小評価しやすい『過大・過小評価』の傾向です。
「~のように感じるから~のはずだ」と言ってしまう人は
自分の感情が現実だと思う
『感情的決めつけ』の可能性が高いです。
あなたに上のような口癖はありませんか?
真面目だからこそ悩む
「几帳面」「責任感が強い」といった性格をはじめ
「白黒ハッキリさせないと気が済まない」
という点も同じで真面目ですね。
これは、いわゆる完璧主義的な傾向の表れといえます。
「真面目」「几帳面」「責任感が強い」といった性格そのものは
まったく悪いことではありません。
それどころか、
「適当」「責任転嫁」「言い訳」「自分さえよければ」
という人も多い中、
人として称賛されるべき性格なのです。
だからあなたも、
真面目であることを恨んだり、
恥じたりする必要は一切ありません。
グレーゾーンも愛する
『黒ハッキリつけたい人』というのは、
未解決の問題をそのままにできない人、
もしくは
適当に放置しておくことができない人、
…つまりは『責任感が強い人』ということなのです。
しかし、ストレスをためず上手に生きていくためには
心の中にグレーゾーンをつくることは必要なことだと思います。
そうしないと、自分自身がしんどくなるだけです。
曖昧耐性
心理学には
「曖昧耐性」「曖昧さ耐性」という言葉があります。
これは「相手の考えが分からない」とか
「計画通りにいくか分からない」といった
曖昧な状況に耐えられるかどうかには個人差があるという概念です。
一般的には、
この耐性が低い(曖昧さに耐えられない)人ほど
ストレスを『有害なもの』と認識し
それに過剰に反応する、
いわゆるストレスフルな傾向にあるようです。
曖昧なものを曖昧なままにしておける心は
『ストレスにも強い心である』ということは言えそうですね。
ということで、
完璧主義からグレーゾーンも受け入れられる姿勢で
物事に取り組んでみてください。
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