セールスで物やサービスを売るには、お客さんがどんな欲求を持っているのかを探る必要があります。人が物やサービスを購入する決断をする瞬間というのは、その商品が自分の欲求を満たしてくれるとわかった時だからです。では、お客さんの持つ欲求を探るにはどうすればいいのでしょうか？そのためには、まず、人間誰しもが持つ欲求を知っておく必要があります。今回は、そんな人間誰しもが持つ欲求を紹介していきます。
人間が持つ2つの欲求とは？
私たち人間が持つ欲求は、主に2つに分けることができます。1つは、叶えたい、欲しい、ということを「手に入れたい」欲求。もう1つは、そうなってほしくない、やりたくない、ということを「避けたい」欲求です。私たちはこのように、真逆の2つの欲求を持っているのです。では、この2つの欲求の内容を、もう少し詳しく掘り下げていきましょう。
1：手に入れたい欲求
まずは、手に入れたい欲求にどんなものがあるのかを詳しく見ていきましょう。
お金が欲しい
資本主義の社会で生きている私たちは、常にお金を求めています。すでに数億円の資産を持っているような大富豪なら別ですが、99%以上の人間は、「もっとお金が欲しい」「もっと稼ぎたい」と常に考えながら生きています。
楽したい、怠けたい
私たち人間はとにかくなまけ者です。できるなら難しいことを考えたくありませんし、体もなるべく動かしたくありません。お金を払って楽ができるなら、人は喜んでお金を支払います。
時間を節約したい、すぐに結果が欲しい
私たちに与えられた時間は1日24時間と全ての人間で平等になっています。いつになっても「時短」という言葉がなくならないように、私たちはつねに時間を節約したいと考えながら生きています。
人気者になりたい、人から認められたい
私たち人間は「社会」の中で生きています。その中で生きているうちに生まれてくる欲求が、人気者になって名声を得たい、他の人からすごいと認められたいというものです。これは他の動物にはない人間だけの欲求です。
若くいたい、長生きしたい
私たち人間は、何もしなくても老けていき、常に「死」に向かっています。その中で生まれる欲求が若返りや長生きへの欲求です。お金や名声を全て手に入れた大富豪が最後に求めるのが、「不老不死」だと言われるように、強い欲求の1つです。
モテたい
非常に分かりやすい欲求ですよね。異性にモテたい、仲良くしたいという欲求です。元はと言えば、生物みなが持つ、子孫繁栄や種の保存のための欲求から発展した根源的な欲求ですので、非常に強い欲求ということになります。
復讐したい
復讐したい、見返してやりたいという欲求も非常に強いです。いつの時代も復讐を描いたストーリーは人気ですし、自分を馬鹿にした人間や見下した人間を見返したいという思いを原動力にビジネスで成功する人も大勢います。
刺激や変化が欲しい
多くの人間が毎日同じことの繰り返しの中で生きています。自宅と会社･学校の往復、毎日家事をして家族の帰りを待つだけの生活。多くの人がこんな生活の中に刺激や変化を求めて生きています。旅行が高くても売れるのは、非日常での刺激や楽しみを提供してくれるからですね。」
安心、安全が欲しい
刺激や変化を求める一方で、私たちは常に安心、安全を求めて生きています。安心して住める家が欲しい、安全に移動できる車が欲しい。そのようなことを考えながら、私たちは生きています。
2：避けたい欲求
次に、「避けたい」という欲求です。これは1の「手に入れたい」欲求の裏返しの部分もありますが、この「避けたい」という欲求の方が1の「手に入れたい」欲求よりも強く働く場合がありますので、しっかりと押さえておく必要があります。
恐怖、痛み、苦しみから逃れたい
まずは、恐怖や痛み・苦しみから逃れたいという欲求です。分かりやすい例を出すなら、ケガや病気がありますよね。ケガをすると痛いからそれを避けるために行動する。病気になると苦しい思いをするから、予防するためにお金を払う。他にも、精神的な苦しみから逃れたいという場合もありますよね。学生の時、「明日テストだし、学校行きたくないな」って思ったことはありませんか？これは、肉体的な痛みや苦しみではなく、精神的に味わいたくない痛み・苦しみですよね。
心配や不安を解消したい
将来の心配や不安から解放されたいという欲求もあります。「災害が来たときのために家具を固定したり、非常食を備えておこう」というのは、災害が来るかもしれないことへの心配や不安から逃れるための行動ですよね。他にも、「もしケガや病気で働けなくなったら」という心配や不安から逃れるために、保険に入る人は大勢いますよね。私たちは常に将来への不安や心配を抱えていて、それから逃れたい、それを解消したいと考えて生きています。
恥をかきたくない、プライドを守りたい
そして、恥をかきたくない、自分のプライドを守りたいという欲求です。人間、誰しもがプライドを持っていて、それを守ろうとして生きています。これは、1の欲求の中の「人気者になりたい、人から認められたい」という欲求の裏返しになります。別に欲しくもない物を、周りのみんが持っているから、という理由だけで買うのは、自分だけ浮いて恥をかきたくないから、という裏の理由があるのです。
まとめ
このように、私たちの人間の中には数多くの欲求が存在します。例えば、自動車を買う人がどんな欲求を持って自動車を買うのかを考えた場合、「車」それ自体を欲しいと思って買う人はいませんよね。車を買うことで移動が楽になるから、車を持っていれば女の子にモテるから、そんな風に考えて車を買うわけですよね。何かを売る場合の出発点は、その商品、サービスがこれら人間のどの欲求を満たせるのか、からスタートする必要があるのです。
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