乱用厳禁な交渉術
自分の欲望が満たされるように
相手を誘導できたら
あなたは何がしたいですか?
仕事であれば
コツコツ努力している人を尻目に
毎日がノー残業デーでも
出世しやすいでしょうし、
プライベートでも
充実することでしょう。
今回は弁護士さんが使っている
乱用厳禁な交渉術を公開します。
相手が遅刻したら、ラッキー
12時に待ち合わせをしたはずが、
相手が遅刻して12時15分に到着。
あなたなら相手に何て言いますか?
「約束は12時でしたよね?」
と皮肉を言うのはNG。
逆に、
「大丈夫でしたか?心配しましたよ」
と言うことで、
より罪悪感を抱かせる方が、実は効果的。
なぜなら、
人は罪悪感を解消するためならに
行動を起こすからです。
遅刻してしまった相手は
「ヤバイ、遅れたてしまった」と、
申し訳なく思っているものです。
怒られると覚悟していたのに、
むしろ心配なんてしてもらったら
「お詫びに何かしなくては!」と感じますよね。
恋人であれば
あなたに優しくなるでしょうし、
仕事相手ならより協力しよう、
金額の相談なら多少は譲ろう、
という気持ちになりそうですね。
先にプレゼント
相手に何かを与えると、
相手は「何か返さないと悪い」
という気持ちになるもの。
お金やモノなどの
物質的な何かだけでなく、
『相手に好意を持つ』という気持ちもです。
相手に好意を持ったことが伝わると、
相手も自然と好意を持つようになります。
何か交渉事をしなければいけない場面では、
ギブアンドテイクでいうと、
つい『テイク』に注目してしまいがち。
そうではなくて、
先に相手のことを好きになったり、
相手に何かをしてあげたりという、
『ギブの精神』でいることで、
結果的に相手がこちらの欲しいものを
渡してくれる可能性が高くなるというわけです。
罪悪感は幻
断れない理由は、
「断ったら申し訳ない」
という罪悪感がある場合が多いです。
本当は断るのに理由なんて
必要なくて、「今回は無理です」と、
ハッキリ断ればいいのですが、
それができない場合、
とりあえず何でもいいので、
理由“らしきもの”を作ってみてください。
「体調が悪いので」
「夕方は用事があるので」
「人に会う予定があるので」
といった感じに「ので」をつければ、
納得してもらいやすいと思いますよ。
あるいは、
「超高級焼肉をおごってくれるなら行きます」とか、
断るだけではなく、
ムリな代案を出してみることも有効ですね。
安易にうなずかない
相手の話を真剣に聞いていると、
うなずきながら話を進めてしまいがちですが、
これは交渉の時は避けたほうが無難です。
うなずくという反応は、
知らず知らずのうちに
相手の期待値を上げてしまいます。
そのため、
あなたの『うなずき』を都合よく解釈して、
より多くの利益を引き出せると
思われてしまうことがあるのです。
相手がその誤った期待を前提に話が進むと、
あなたとの間に誤差が生じて、
交渉が複雑化してしまいます。
話の裏を取る
交渉相手が話したことが
真実とは限りません。
意図的にウソを言うこともありますし、
相手が勘違いして間違ったことを
話していることもあります。
相手の言うこと全てを鵜呑みにしてはいけません。
特に交渉中は
常に相手の言うことが本当なのか疑問を持って、
話に一貫性があるか?
論理的なのか?
チェックする姿勢が必要不可欠です。
その上で大事な点は、
確かなデータや証人がいるか探して、
相手の言うことが事実かどうか確認するようにしましょう。
いつも自分に不利な条件を飲まされてしまったり、
自分の意見が通らないという人は、
交渉事で絶対にやってはいけないことを
やってしまっている可能性があります。
その中には、
意識せずついやってしまうことも含まれていますので、
気になった人は自身の癖や言動を
チェックしてみてください。
3種類のNo
相手が「No」を言って一向に受け入れてくれない場合、
なんて考えますか?
「それは相手にとって不利益だからです。」
と思われましたでしょうか。
実際には
「No」にはいくつかの種類があって、
1:ガチNo
2:偽No
3:誤解No
の3つあります。
それぞれ特徴と対策があるので
解説していきます。
1:ガチNo
これはシンプルに相手に不利益であって
単純に受け入れられないNoの種類です。
突き詰めると、
要件を飲むか飲まないかという
単純な交渉になってしまいます。
ですが、当然中間的な妥協点もあって
妥協案を見つける方法として
よくあるのは以下の2つです。
・限定をつける
相手がNoと言っていたとしても
「〇月までならどうかな」
といった感じに期間限定であれば
OKになりこともあります。
その他の限定としては、
「この人だけなら良いかな?」
と“人”限定にしたらどうか、などなど
その時に合った限定を提示してみるといいですね。
・除外事項をつける
「この時間帯だけは除外できないですか?」
「ルールを守らない人は除外するのでどうでしょうか?」
「この場所での使用は除外すればどうでしょうか?」
などなど除外事項を決めると話が進む可能性があります。
いずれにしても、
相手が何を求めているかを知って
妥協点を見つけていくと
ガチNoであったとしても良い方向に進んでいきます。
2:偽No
偽Noというのは、
本当はNoではないのに、
他の重要事項を飲ませたいために
あえてNoと言っているものです。
いわゆる、駆け引きのための戦略的なNoです。
例えば、
本当はその件についてはOKなのに
あえて渋っておいて
「では、その件はあなたの言うとおりにするので
これについては従ってくださいね」
といった具合に、
最終的には譲ってよいと考えているのに
自分の本当の意見を通したいがために
一時的なNoを言っている場合です。
こういう場合は、
相手としてはガチNoではないので
この話題に力を注ぐのではなくて
早く本題に入ることがポイントです。
従って、『偽No』については、
「ここは飲んでいただけますよね。だって〇〇じゃないですか。」
とちょっと強めに交渉して突破を試みましょう。
3:誤解No
誤解Noというは、
相手がある条件について提案した側の意図を誤解していために
「No」と言っているものです。
一種の擦れ違いや誤解によって
「No」と言われている可能性があります。
この『誤解No』が生じると、
「うーん、なんで分かってくれないのかな?」
という相手に言われることが多いのが特徴。
これを解決するには『ちょっとした工夫』が必要です。
誤解なのですから、
誤解を解消するべく説明を試みる必要があります。
説明資料を分かりやすくする、
直接説明する機会を設定してもらう、
といったように一度説明して誤解されているようであれば
説明の種類を変えてみましょう。
文字<音声<動画<話す<資料や動画を見ながら直接話す
といったように、
文字だけの資料で伝わなければ、
音声や動画を送ったときはどうか?
電話の方が伝わりやすいか?
直接会うべきなのか?
伝える手段を検討してみてください。
気が弱くても交渉可能
交渉で大事なことは、
相手に勝つことではなくて
自分にとって、いかにメリットのある結果を導き出すかです。
たとえば、
ある従業員が経営者に対して
「給与を上げてほしい」と要求したとします。
ここで、単純に勝ち負けだけを考えると、
給与を上げなければ経営者の勝ち、
ということになります。
ですが、その従業員は優秀な人で、
給与を上げてもらえなかったために辞めてしまい、
戦力が大きくダウンしたとしたら、、、
逆に良くない結果をもたらしたことになりますよね。
給与を上げたとしても在籍してほしい人材であるなら、
要求を認めてもいいはずです。
また、なぜその従業員は
給与の増額を要求したのか、
という点もポイントになります。
ビジネススクールに通うためか?、
結婚するためか?
他の社員と同じように見られたくないからか?
認めてもらいたいからか?
理由がわかれば、
『メディア事業部の責任者』など役職を与えたり、
ボーナスの増額や貸し付けの実施など、
他の選択肢も検討できます。
気の強い人の場合、
交渉では相手のことを考えずに
自分の事情や主張を押し付けてしまって
対立関係に陥りがち。
反対に気の弱い人は相手の話を聞けますので、
双方にとって、よりよい解決策を
見出しやすいことが考えられます。
交渉前に出来る事
交渉に臨むにあたり『事前準備』は大切です。
気の弱い人は、
交渉の場でとっさに言葉が出なかったりして、
つい譲歩してしまい、
不利な結果に終わるパターンも多いでしょう。
その弱点をカバーするためには、
事前に自分の考えや方針を
まとめておく必要があります。
事前準備のうち、特に大切なのは以下の4つ。
1:自分のニーズを知る(交渉を通じて何を得たいか)
2:自分の強みと弱みの把握
3:自分が譲れない点と代替手段
4:自分にとっての交渉期限
たとえば、
従業員が給与の増額を求める場合、
1:について考えることは、
何のために給料を上げてもらいたいかです。
自己実現のため?
それとも将来の生活のためでしょうか?
それによって、
もっと良い方法が浮かんだら、
交渉を取りやめても良いですよね。
『何がしたいか』がブレていると
話をしていても相手のペースになってしまいます。
2:では自分の能力などを分析して、
強みを前面に押し出す方策を考えます。
給料を上げることに値するのか
相手にしっかり判断するためには
アピールが必要です。
3:ですが絶対に譲れない
増額分の金額を決めたうえで、
決裂した後の代替手段を考えます。
ここが決まってないと
金額がほんの少しだけ変わっただけ、、、
なんてこともあり得ます。
4:については、
その代替手段を選択できる期限も含めて
検討を行います。
さらに、1~4を自分の立場から考えるだけではなく
『交渉相手』の立場になって検討を行うことが重要。
そうすることで、
相手の主張に対する反論が
即座に出来るようになります。
相手の意見に対してパパッと答えられると
自分のペースで話が進みやすいですからね。
譲歩してもよいところと
守るところの切り分けを整理するなど、
交渉の筋書きを何パターンか作れば、
なおさら良いです。
ぜひ、交渉するときは使ってみてください。
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