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ビジネスに生かす割れ窓理論

本当に悪い奴は目立たない

あなたの職場で
仕事で足を引っ張るスタッフはいませんか?

今回は仕事で悪い結果になってしまう意外な原因
その対策について書いていきます。

仕事をしていて上手く結果がでない時に、
多くの人は『問題となっている現象』にだけ
着目してしまいます。

たとえば、やる気の無いスタッフが
会議前の資料を期限までにやってこない時に、

「資料のつくり方が分からないのかな?」
「もしかして、忘れてた?」

と頭に浮かんでくるかもしれませんね。

はてな

そんな時の対策案は
資料のつくり方の手順や方法を教える、
忘れないようにメモをとらせる、
ことになります。

この対策は一見、良さそうに見えますが
会議の資料だけではなく、
発表するときの話し方や
仕事の進行具合を報告するタイミング…

1つ1つ教えていてはキリがありませんよね。

そもそも、やる気があれば
自分で解決しようとするので
教える量が少なくても成長しやすいです。

やる気の無いスタッフがいると
全体の雰囲気が悪くなるので
知らない間に全体のレベルがダウンしていく。

「なんか、やる気が無いスタッフが目立つなぁ」
と感じる時は割れ窓理論を応用してみてください。

割れ窓理論とは

軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで、
凶悪犯罪を含めた犯罪を
抑止できるとする環境犯罪学上の理論のことです。

割れた窓

これは、アメリカの犯罪学者
ジョージ・ケリング考案したものですが、

「建物の窓が壊れているのを放置すると、
誰も注意を払っていないという象徴になり、
やがて他の窓もまもなく全て壊される」

との考え方から『割れ窓理論』と命名されました。

ブロークン・ウィンドウ理論、
壊れ窓理論とも呼べれています。

治安が悪化するまでには次のような経過をたどります。

1.建物の窓が壊れているのを放置すると、
それが「誰も関心を払っていない」
というサインとなり、
犯罪を起こしやすい環境を作り出す。

2.ゴミのポイ捨てなどの軽犯罪が起きるようになる。

3.住民のモラルが低下して、
地域の安全確保に協力しなくなる。
それがさらに環境を悪化させる。

4.凶悪犯罪を含めた犯罪が多発するようになる。

これに対して、

治安を回復させるには、
ごみはきちんと分類して捨てるなど
一見無害であったり、軽微な秩序違反行為でも
取り締まることが必要なんだそうです。

だから、警察職員による徒歩パトロールや
交通違反の取り締まりを強化する。

地域社会は警察職員に協力し、
秩序の維持に努力しているんですね。

スティーブ・ジョブズも
「割れ窓理論」を利用していた

アップルに復帰する前の社内の様子は…

『船頭のいない船』や、
『学級崩壊』ならぬ『社内崩壊』
とまで言われていたそうです。

優秀な人は大勢いたようですが、
全員が自分の向きたい方を向いて
好きな事をやって、
会社を食い物にしているような感じだったようです。

また今のような秘密主義の会社ではなく、
社内の意思疎通が極度に悪く、
社内で走っている別のプロジェクトを知ろうと思ったら

マック専門誌を買って読んだ方が
正しい情報がとれるくらいの酷さとまで…

会社内にペットを持ち込むことも容認されていて、
中には犬と遊んでるのか仕事してんだか
分からない人もいて、
なんと社内を鳥が飛んでいたりもしたとのこと。

そんな時に、まさかのSteve Jobs復帰。

それまでのアップルはよくも悪くも
極めて民主的な会社でしたが、
一方でどうにも方向性の見えない会社に
なっていたようですが、

スチィーブ・ジョブズのやり方は180度異なっていました。

一言で言うなら『独裁主義』で
歯向かう人は言語道断で切られていったようです。

ですが、
数年後には組織がすっかり整理整頓された上、
自分が社内でどういう役割を果たしているのか
極めて明確に定義されるようになったようです。

要するに
組織が大きく傾く前に
小さなミスやルール違反を放置していたことが
問題になるという事です。

ルール違反が当たり前の会社であれば
時間にもルーズになるでしょうし、
いくら頭が良くても良い仕事にはならなそうですよね。

スティーブ・ジョブズのスピーチは
ためになるので下に紹介しておきます。

実はビジネスにも活用されている

そして、この『割れ窓理論』
犯罪防止だけなく、ビジネスにおいて
活用されているケースも少なくありません。

日本でよく知られているのは、
日本の東京ディズニーランドとディズニーシー。

パーク内のささいな傷をおろそかにせず、
ペンキの塗りなおしや破損箇所の修繕を
見つけ次第頻繁に行うことで、

従業員だけでなく、
来客のマナーも向上させることに
成功しているそうです。

また、アメリカのデパートチェーンで
『ノードストローム』という所がありますが、

キズを治しておくという消極的な対策だけでなく、
『割れ窓』の対極である意味合いの
ピアノ生演奏を顧客に提供するなどして、
売り上げアップにつなげている例もあります。

ピアノ

人はその場の雰囲気によって
行動もガラリと変わってしまうという事ですね。

ディズニーも、子どもに夢を与え、
たくさんのリピーターを抱えるテーマパークで
いられるように見えないところに労力をかけています。

オフィスワーカーでも、
挨拶、時間、期限、小さな嘘など、
社会人として基本的なことを見逃していると、
それが割れ窓になってしまうのではないかと感じます。

オフィスの環境が良いだけで
業績が上がるというデータもあることからも、
些細なことの重要性が見えます。

一歩先をいく、
上を向いていける企業であるために、

ノードストロームのように、
割れ窓理論をネガティブな方面にだけ使うのではなく、
ポジティブな意味で、新しい方法や他と違う、
目を引く方法で取り入れていくことも大事だと感じます。

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