大人になっても脳細胞は増やせる
運動、勉強以外に脳細胞を増やすことは
本当に可能なのか?
今回は大人になっても脳細胞を増やす
5つの方法を解説していきます。
以前は
「脳のニューロンの数は生まれたときに決まっており、
その後は加齢とともに減っていく一方で、増えることはない」
と考えられていました。
ですが最近になって
「海馬で脳の神経細胞が増殖する」
ということが分かったようです。
海馬は脳の一部で主に記憶の役割をしています。
もし、脳細胞を増やすことが出来たのなら、
「最近、覚えるのが不得意になったな」
「職場のあいつには負けたくない」
といった問題を解決させることが出来ると思います。
脳細胞を増やすためには
『運動』すること、『勉強』することが推奨されていますが、
継続的に運動や勉強することは
なかなか難しいものですよね。
なので今回は
運動や勉強以外のことで
しかも知っていれば簡単に出来てしまう
5つの方法をお伝えしたいと思います。
1:よく噛む
1つ目は『よく噛む』ことです。
「え?それだけで?」
と感じましたか?
『よく噛む』だけなんです。
現代の食事は柔らかくて食べやすい物が多くなっていますが、
噛む回数が少なくなってしまうと、
脳細胞が増えていきません。
むしろ減っていってしまいます。
『ロバの奇跡』という話があるのですが、
今からおよそ50年前、東京の上野動物園にいた
一頭のロバに奇跡が起きました。
そのロバの名前は一文字号。
子供たちの人気者だったようですが、
老衰で、みるみる痩せていきました。
エサを食べないようになり、飼育員さんたちも心配します。
ロバの身体を良く観察してみると
歳をとっている原因以外に
歯がなくなっている事に気づきます。
歯がなくなっていて噛めないから
食事を摂らなくなっていたんですね。
そこで計画されたのが、
ロバ用の入れ歯を作るという事です。
何と、人間の歯科医である石上健次博士が、
それを引き受けてくれ、2ヶ月半後に
金色に輝く入れ歯が完成しました。
ですが臆病な草食動物が、
人工の歯を受け入れてくれるのだろうか?
多くの人が見守る中、入れ歯がはめられます。
固唾を飲んで見つめた、その結果は大成功。
一文字号は入れ歯をはめて、
すぐに草を食べはじめた。
一文字号は見る見るうちに回復し、気力も充実して
羊に噛みつくまでに回復したといいます。
もう先がないと思われていた一文字号が、
奇跡の復活を遂げたのです。
『噛む』ことについては
多くの学者や研究者に注目されていて
『噛む』ことに着目した動物実験もされています。
マウスの実験では、
固形物ばかり食べていたマウスと
粉末ばかり食べていたマウスとでは、
粉末ばかり食べていたマウスは、
脳の中の記憶を司る海馬の中の神経新生細胞数が、
25%も減っていたんです。
人でも同じことが言えて
『よく噛む』ことが脳細胞を増やすことに繋がります。
噛むだけなら食事のときに
ちょっと気をつけるだけですので
簡単ですよね。
噛む回数としては
一口に30回噛むと良いとされています。
噛む回数を自然に増やす方法として、
小さなスプーンを使って食べると
必然的に噛む回数が増えるので効果的ですね。
小さなスプーンと大きなスプーンとでは、
一皿食べる間に噛んだ回数を比べると、
小さいスプーンの方が1.5倍多く噛んだことになります。
お箸で食べる場合にも、
少しずつ口に入れていくと良いことになりますね。
2:お酒を飲むなら赤ワイン
赤ワインが記憶に関わる
脳の神経細胞数を倍増させて、認知能力を高めることが、
岡嶋研二・名古屋市立大大学院教授(展開医科学)のチームの
動物実験で分かっています。
これまでに赤ワインを1日400ミリリットル(グラス3杯程度)を
飲む人は、飲まない人に比べて、
認知症の症状が出にくいことが、
フランス・ボルドー大などの疫学調査で分かっています。
研究したチームは赤ワインに含まれる、
『レスベラトロール』という成分に注目。
マウスにレスベラトロール含有量の多い
赤ワインを0.2ミリリットル
毎日、3週間にわたり飲ませました。
その結果、脳の中で記憶をつかさどる
『海馬』と呼ばれる部分の神経細胞が、
飲まないマウスに比べ2倍に増えていました。
迷路でゴールにたどりつく時間も訓練開始から5日目に、
飲まないマウスに比べてほぼ半分になったと言われています。
白ワインを飲んだマウスは、
飲まないマウスと同じ結果だったことから
赤ワイン特有の効果だと言えます。
効果がどこまで継続するかは
これからの課題ですが、
持続して摂取する必要があるようです。
ちなみに、レスベラトロール濃度が高いのは、
フルボディーや色の濃いタイプの赤ワインです。
注意点としては、アルコールの過剰な摂取は
肝臓への悪影響もあるので、
いくら脳に良いと言っても飲み過ぎないことですね。
3:異性とのコミュニケーション
気になる異性と接触することです。
人間は恋をすると、
性ホルモンが分泌されます。
この性ホルモンが脳内に入り、
神経幹細胞に働きかけて脳細胞の増加を
促すと言われています。
恋愛感情がなくても、
好みのタイプの異性と話したり
接触することでも性ホルモンは分泌されますので
会う機会を作っても良いですね。
4:散歩
散歩をしましょう。
米ピッツバーグ大学のカーク・エリクソン博士は
55歳~80歳の男女120人を対象に
週に3日、1回40分程キビキビと歩いてもらい調査を実施。
通常脳は加齢により萎縮する。
ですが、1年後に被験者の脳を調べたところ、
海馬を含む脳の主要部位が2%大きくなっていたと、
米国科学振興協会の年次大会の席で発表しました。
これは脳が2歳若返ったことを意味していて、
飛躍的な改善と言えます。
一方、1年以上ストレッチ運動を続けていた
他の被験者のグループでは、
脳内の同部位が1.5%委縮していました。
博士は
「激しい運動をしなくても脳を若返らせる効果はある」として、
適度な運動量で加齢時計を
数年戻すことが可能だと述べています。
フィットネスのような筋肉をつける運動よりも、
早歩きでの散歩のような積極的な有酸素運動の方が
海馬の体積を増やすことが分かっています。
5:愛情豊かな環境で暮らす
家族や恋人、友人への愛情表現を忘れずに。
それだけでも大きな効果があります。
セロトニンを増やすような環境では
海馬の細胞も増えることが分かっています。
セロトニンを何よりも増やすのは周囲の人の愛情です。
「一人暮らしで家族がいないからな…」という時は
あなたの周りに大切にしたい人はいませんか?
何か欲しい時は
まず与える必要があります。
愛情も同じだと思います。
吸血コウモリの話があるのですが、
コウモリは夜になると
動物の血を吸いに行くわけですが
自然の中なので
当然、血を吸える時と吸えない時があります。
吸えない時はどうするのか?
それは仲間の背中をガブッと噛み付いて
血を分けてもらうんです。
とは言っても分けてもらえないコウモリもいます。
それは、自分が血を吸えた時に
仲間に分けなかったコウモリです。
逆に血を確保できた時には
仲間に自分の背中を噛ませて血を分けているコウモリは
困ったときに助けてくれるんです。
人も同じで何かしてもらえると、
恩返しをしたくなるものです。
一人暮らしだったとしても
自分から何かを相手に与えることで
後から自分に返ってくるので、
あなたの周りの人へ
自分が与えられるものは何か?
考えて実践してみてください。
以上で、
『大人になっても脳細胞を増やす5つの方法』でした。
1つでも良いので出来そうなことから
やってみて下さい。
この記事へのコメントはありません。