ビジネスで「コピーライティング」と聞くと、「情報商材?」「CMの現場?」などというイメージを持つ人も多いでしょう。
しかし、コピーライティングの技術はネット業界だけのものではありません。
自営業で販売をしている方や、スーパーなどで売り場を担当している方にだって、この技術は役立つのです。
今回は物を売る現場で活用できるコピーライティングについてお伝えします。
1 感情を揺さぶる
人が物を買おうとする時、最も重要な判断材料は「値段が安いか」「性能がいいか」ではありません。
「自分がそれを買って嬉しいかどうか」です。
道端で配っている無料のポケットティッシュを貰っても嬉しくありません。
どんなに高級で高性能な物を紹介されても欲しくない時もあります。
自分がそれを手にしても嬉しい気持ちが湧いてこないからですね。
逆に、それを所有することで嬉しいと感じるのであれば、値段も性能もあまり気にせず購入してしまいます。
ある家電量販店で、テレビ売り場の担当者が実験をしたことがあります。
売り場でなんとなくテレビを眺めている人をスルーして、チャンネルを変えてみたり電源をつけたりしている人だけにセールスをしたところ、成約率が5倍になってそうです。
実際に商品を操作することで、欲しいという感情が湧いている人だけを狙い撃ちしたことで成功したわけです。
つまり、商品をただ単に並べるのではなく、実際に使っているところを想像させるような工夫をすることで売上の向上に繋げることができると言えます。
商品のPOPなどに「この商品で◯◯のような体験が!」「これであなたも◯◯に」など、その商品を使うことでどんな嬉しい感情が沸き上がってくるのか、それを説明してあげればお客さんは欲しいと思ってくれます。
もちろん、実際に触って体験してもらうのが一番ですが、全員にそれをしてもらうのは難しいですし、店員と会話したくないという人もいます。
そういう人にも欲しいと思ってもらえるよう、様々な切り口を用意しておくと成約率も上がるでしょう。
2 商品の種類
とある高級スーパーで行われた実験があります。
ある週末、店頭にジャムを6種類並べました。
その翌週末には、店頭にジャムを24種類並べました。
種類を増やすことで、売上がどう変わるか実験したのです。
その結果、6種類の時は40%の顧客が商品を眺め、24種類の時は60%の顧客が商品を眺めていました。
つまり、商品の種類が多いほど、顧客は興味を持つことがわかったのです。
ところが実験はそれだけで終わりませんでした。
実際に購入した顧客は、6種類の時に30%、24種類の時は3%と、売り上げに10倍の差が生まれたのです。
このように、商品数が多すぎたり、どれが自分に合っている商品なのかわからないと、人は購入を迷ってしまうのです。
コピーライティングにも同じことが言えます。
とあるコピーライターが時計の宣伝について取引先ともめたことがあります。
開発された時計は、男性・女性・子供向けでそれぞれ色が3種類、合計9つの種類がありました。
コピーライターはシンプルさを追求して、男性用のブラックのコピーだけを作ったところ、取引先から「どうして全部の商品のコピーを書かないのか」と怒られたそうです。
そこで、1種類だけのコピーと9種類全てのコピーを作って同じ地域で反応を比べたところ、1種類だけのコピーのほうが、3倍の反応がありました。
顧客を混乱させず、商品を絞って展示することも、実は重要なポイントなのです。
3 通販のコピー
小売の現場では、実際に商品を手にとって試すことが可能です。
通販では、実際に商品を触ることは出来ません。
今までは商品を実際に見て確かめられるという点で小売には強みがあったのですが、現在では通販が驚くようなスピード配送でシェアを拡大しています。
朝に注文すれば夜に届くので、自分に買いに行くよりも早く手に入れることができたりします。
つまり、小売店にわざわざ行く人は今後減少していくということなのです。
これを挽回するためには、自分の店舗で通販を行うしかありません。
では同じように当日配送をすべきなのでしょうか?
大手でなければそれは難しいでしょう。
そこで活躍するのがコピーライティングなのです。
自分がそれを買うことで、どういった満足を得られるか。
商品を買うことでどんな素晴らしい明日が待っているのか。
それを通販の画面で説明してあげて下さい。
そうすれば、顧客は配送スピードや値段をさほど気にせず、自分の未来を想像しながら注文してくれるはずです。
まとめ
コピーライティングはネットだけのものではありません。
小売店でも十分に活用できる技術なので、様々なテクニックを身につけて自分の店舗を盛り上げていって下さい。
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